なぜ「ハン・ソロ」はジェイソン・ステイサムとトム・クルーズに敗れたのか!?【世界興行収入】

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驚きのニュースが飛び込んできた
ジェイソン・ステイサムが超巨大サメと対決する海洋アクション映画「MEG ザ・モンスター」の世界興行収入が「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」の記録を上回ったというのだ

ステイサム、ハン・ソロを倒す ― 『MEG ザ・モンスター』全世界興行収入、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を超える

公開当時から興行成績が予想より芳しくないとニュースになっていた「ハン・ソロ」
とはいえ輝かしい記録を打ち立ててきた「スター・ウォーズ」のスピンオフ
しかも絶大な人気を誇るキャラクター、ハン・ソロの物語である
それが人気アクションスターではあるが、どちらかというとB級の印象の強いジェイソン・ステイサムの作品に興行成績で負けた
2018年の映画業界の大きなニュースといってもいいかも知れない

「MEG ザ・モンスター」の感想はこちら

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今までのスター・ウォーズの興行成績

ルーク・スカイウォーカーを主人公とする三部作「新たなる希望」「帝国の逆襲」「ジェダイの帰還」を旧三部作(オリジナル・トリロジー)
アナキン・スカイウォーカーを主人公とする三部作「ファントム・メナス」「クローンの攻撃」「シスの復讐」を新三部作(プリクエル・トリロジー)
レイを主人公とする三部作「フォースの覚醒」「最後のジェダイ」「スター・ウォーズ エピソード9(仮題)」を続三部作(シークエル・トリロジー)とする
ここでは「フォースの覚醒」以降のスター・ウォーズシリーズの世界興行収入を見てみよう

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(2015年)

世界興収20億6600万ドル
世界年間ランキング 1位

「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」(2016年)

世界興収10億5605万ドル
世界年間ランキング 2位

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(2017年)

世界興収11億9366万ドル
世界年間ランキング 3位

「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」(2018年)

世界興収3億2860万ドル
世界年間ランキング 14位(2018年9月時点)

スピンオフも含めて、つねに輝かしい興行成績を収めてきたスター・ウォーズシリーズ
特に「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は世界興収歴代3位を記録している
そんなシリーズの中で最新作「ハン・ソロ」の凋落ぶりは凄まじい
桁が足りないどころか、四捨五入しても二桁にならない
これは「ハン・ソロ」単体の問題なのか
それともスター・ウォーズシリーズに陰りが見えてきているのか

2018年に「ハン・ソロ」を上回った作品

それでは2018年の世界ランキングはどうなっているのか
現在、1位に君臨しているのは今年最大の話題作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」である
世界興収は20億2469万ドル
「アバター」「タイタニック」「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に続いて20億ドルを越えた4本目の作品となる
なぜか日本では「名探偵コナン」に敗れ1位になれずじまいだったが、さすがの結果である

「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」の感想はこちら

それ以降は「ブラックパンサー」「ジュラシック・ワールド 炎の王国」「インクレディブル・ファミリー」「デッドプール2」と続く
意外なところでは「モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?! 」「ランペイジ 巨獣大乱闘」といった作品にも負けている
今まではスター・ウォーズシリーズのライバルともみなされなかったような作品たちである
まさかの異常事態といっていいだろう

[データ参照元:2018 WORLDWIDE GROSSES]

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「ミッション:インポッシブル フォールアウト」がシリーズ最高の大ヒット

そして、ここに来て軽々と「ハン・ソロ」を打ち負かす作品が現れた
トム・クルーズの人気シリーズの最新作「ミッション:インポッシブル フォールアウト」である

「ミッション:インポッシブル フォールアウト」の感想はこちら

「ミッション:インポッシブル フォールアウト」の世界興収は現時点で6億6900万ドル
「ハン・ソロ」の記録をはるかに上回っている
なぜ人気シリーズの最新作でこうも差がついたのか?

「MEG ザ・モンスター」と「ミッション:インポッシブル フォールアウト」のヒットの要因

なぜ「ハン・ソロ」はこの2作に敗れたのか?
そこには明確な敗因が存在する
実は全米の興行成績では「ハン・ソロ」の方が「MEG」と「フォールアウト」を上回っているのだ
だが世界興収では負けている
つまりアメリカ以外の国が問題なのだ

「MEG ザ・モンスター」はアメリカでは「ハン・ソロ」に負けたが、中国では大ヒット
「ハン・ソロ」の中国での記録は1,647万ドル
一方、「MEG ザ・モンスター」は中国で1億4000万ドルを突破
まさに10倍近い差をつけている

また「ミッション:インポッシブル フォールアウト」も同様だ
8月31日に中国で公開され、3日間で興行収入7,730万ドルの大ヒットを記録
この数字は中国でのシリーズ最高のオープニング記録であり、トム・クルーズ主演の歴代最高である

存在感を増す中国

2018年の1月から3月までの中国の映画興行収入は201億1800万元(約3500億円)で、米国を上回り世界トップとなった
北米以外の地域が世界の映画市場で首位になったのは、これが初めてである

実は「MEG ザ・モンスター」は米国・中国の合作映画である
中国人俳優が複数出演しているほか、中国にて撮影が行われている
つまり最初から中国にターゲットを絞っていたのだ

そして「ミッション:インポッシブル フォールアウト」も中国の映画会社アリババ・ピクチャーズが出資して、広報も担当している
この2作は世界最大の映画市場である中国を重視し、そして思惑通りに結果を出した
もはやハリウッドも中国が最大の市場であるという現実を真正面から受け止め、戦略に組み込む時代になったといえるだろう

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「スター・ウォーズ」の苦悩

中国でのスター・ウォーズの人気のなさは有名である
世界的なヒットをした「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」は中国では散々な成績で、上映館の92%が一週間で上映を打ち切った
あまりにも不人気なため「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」は中国だけタイトルを変え、「レンジャー・ソロ」としたほどである
スター・ウォーズという文字はどこにもない
それでも全く効果がなかったようだが

ではなぜスター・ウォーズは中国でヒットしないのか
IGNの「最後のジェダイ」中国での大コケを徹底分析!“なぜ”から中国の映画事情に迫るの記事によると

①中国人はスター・ウォーズ文化で育っていない
世界に衝撃を与えたスター・ウォーズ第一作「エピソード4/新たなる希望」
実は中国では当時公開されていない
1977年は文化大革命直後で、中国では映画どころではなかったのだ
そのため中国で初めて公開されたスター・ウォーズ映画は、1999年の「ファントム・メナス」だった
シリーズの基礎も知らずに、いきなり応用編から入るようなものだろう
これでついて来れる人間は、よほどの上級者だ

②アクションの物足りなさ
中国文化に武侠ものは欠かせない
小説からゲーム、ドラマ、映画
武侠ものは中国人の生活に完全に根付いている
そんな派手なアクションに慣れ親しんだ中国人から見ると、スター・ウォーズのライトセーバーのチャンバラなどあくびが出るレベル
平凡で退屈でみすぼらしい
役者が本気でやっているのかも疑わしく思えてくるだろう
やはり本場のアクションにはかなわない

③映像が地味
中国で大ヒットしたSFアクションは「トランスフォーマー」シリーズや「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「パシフィック・リム」「アベンジャーズ」など
どれも色鮮やかでアクションが派手である
それに比べると「スター・ウォーズ」シリーズは演出が地味で色彩も単調
SFとして劣っていると中国人には思われているようだ
単純に中国人の好みではないらしい

まとめ

中国は世界最大の映画市場として、ますます存在感を増しつつある
そんな中できちんと対策し、中国の観客に受け入れられた「MEG ザ・モンスター」と「ミッション:インポッシブル フォールアウト」は大ヒットを記録した
一方、様々な手段を講じても中国人に受け入れられないスター・ウォーズシリーズ!!
ハリウッドの大作映画は中国の市場を無視できない
「スター・ウォーズ」が今後も人気シリーズとして君臨していくには、中国の攻略は不可欠である
どうやらシリーズの前途には暗雲が立ち込めているようだ

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