ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の会員投票によって選ばれるゴールデングローブ賞
アカデミー賞の前哨戦としても注目度が高い賞である
その第77回ゴールデングローブ賞のノミネーションが発表された
そして、何とNetflix映画が最多ノミネート
ストリーミングサービスが圧勝したのだ
Netflixがオリジナルの映画を作り始めたのは、ほんの3年前
キャリー・フクナガ監督の「ビースト・オブ・ノー・ネーション」が最初である
それから、ここまで躍進するとは
驚異的と言うほかない
作品賞
作品賞(ドラマ)にノミネートされたNetflix作品は3本
「マリッジ・ストーリー」
「イカとクジラ」のノア・バームバックが監督
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーが共演
一組の夫婦の離婚を赤裸々に鋭く描き出す
「アイリッシュマン」
マーティン・スコセッシ監督作品
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシという映画界のレジェンドが集結
実在した1人のヒットマンの半生と共に、アメリカの裏の歴史をあぶりだす
「2人のローマ教皇」
「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレスが監督
2013年、ローマ教皇を退位したベネディクト16世と、新たに教皇に選ばれたベルゴリオ枢機卿の知られざる対話を描く
アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライスが共演
Netflixで12月20日に配信
作品賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされたNetflix作品は1本
「ルディ・レイ・ムーア」
エディ・マーフィー主演
「ラップの父」といわれた実在の人物、ルディ・レイ・ムーアに基づいた物語
映画愛にあふれた快作
ドラマ部門とコメディ/ミュージカル部門を合わせた10本の内、4本がNetflix作品で占められた
ちなみに昨年のゴールデングローブの作品賞でノミネートされたNetflix映画は0(外国語映画賞と監督賞は「ROMA/ローマ」が受賞)
たった1年でここまで躍進するとは驚きである
作品別
最多ノミネートは「マリッジ・ストーリー」で6部門
作品賞、主演男優賞(アダム・ドライバー)主演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、助演女優賞(ローラ・ダーン)、脚本賞、作曲賞
次が「アイリッシュマン」で4部門5ノミネート
作品賞、助演男優賞(アル・パチーノ、ジョー・ペシ)、脚本賞、監督賞
「2人のローマ教皇」が4部門
作品賞、主演男優賞(ジョナサン・プライス)、助演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、脚本賞
「ルディ・レイ・ムーア」がコメディ/ミュージカルで2部門
作品賞、主演男優賞(エディ・マーフィー)
総括
Netflixの作品賞ノミネート4本という数字は、2位のソニー・ピクチャーズの2倍
もちろん、だからといって受賞するとは限らない
作品賞(ドラマ)の他2本、今年もっとも話題をさらった「ジョーカー」とサム・メンデス監督の戦争映画「1917 命をかけた伝令」も強敵である
作品賞(コメディ/ミュージカル)の方も「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「ロケットマン」など話題作ぞろい
また仮に受賞したとしても、ゴールデングローブ賞はやはりアカデミー賞の前哨戦の意味合いが強い
昨年は作品賞(コメディ/ミュージカル)の「グリーンブック」がアカデミー賞も制したが、今回はどうなるか分からない
あれだけ有力だと言われていたアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」
結局、アカデミー作品賞は獲れなかった
背景にはストリーミング・サービスへの業界の反発があったと言われている
今年も昨年と変わらぬままかも知れない
だが、今回のゴールデングローブ賞のノミネーションの結果で、今やNetflixの存在が無視できないものであることは明らかになった
今後、Netflixはますます目が離せない存在になりそうだ
それにしてもゴールデングローブ賞の候補作品の半数近くを、発表前にNetflixで家に居ながら見れるとは
つくづく凄い時代になったものだ
実際に候補になった作品は、どれも良作ぞろい
まだ未見の人はアカデミー賞を占う上でも、是非ともお見逃しなく!!
第77回ゴールデングローブ賞(映画部門)ノミネートは以下の通り
作品賞(ドラマ)
「アイリッシュマン」
「マリッジ・ストーリー」
「1917 命をかけた伝令」
「ジョーカー」
「2人のローマ教皇」
主演男優賞(ドラマ)
クリスチャン・ベール 「フォードvsフェラーリ」
アントニオ・バンデラス 「Pain & Glory」
アダム・ドライバー 「マリッジ・ストーリー」
ホアキン・フェニックス 「ジョーカー」
ジョナサン・プライス 「2人のローマ教皇」
主演女優賞(ドラマ)
シンシア・エリボ 「Harriet」
スカーレット・ヨハンソン 「マリッジ・ストーリー」
シアーシャ・ローナン 「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
シャーリーズ・セロン 「スキャンダル」
レニー・ゼルウィガー 「ジュディ 虹の彼方に」
作品賞(コメディ/ミュージカル)
「ルディ・レイ・ムーア」
「ジョジョ・ラビット」
「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
「ロケットマン」
主演男優賞(コメディ/ミュージカル)
ダニエル・クレイグ 「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」
ローマン・グリフィン・デイビス 「ジョジョ・ラビット」
レオナルド・ディカプリオ 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
タロン・エガートン 「ロケットマン」
エディ・マーフィ 「ルディ・レイ・ムーア」
主演女優賞(コメディ/ミュージカル)
アナ・デ・アルマス 「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」
オークワフィナ 「フェアウェル」
ケイト・ブランシェット 「ホエアード・ユー・ゴー、バーナデット(原題)」
ビーニー・フェルドスタイン 「Booksmart」
エマ・トンプソン 「レイトナイト 私の素敵なボス」
助演男優賞
トム・ハンクス 「A Beautiful Day in the Neighborhood」
アンソニー・ホプキンス 「2人のローマ教皇」
アル・パチーノ 「アイリッシュマン」
ジョー・ペシ 「アイリッシュマン」
ブラッド・ピット 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
助演女優賞
キャシー・ベイツ 「リチャード・ジュエル」
アネット・ベニング 「ザ・レポート」
ローラ・ダーン 「マリッジ・ストーリー」
ジェニファー・ロペス 「ハスラーズ」
マーゴット・ロビー 「スキャンダル」
監督賞
ポン・ジュノ 「パラサイト 半地下の家族」
サム・メンデス 「1917 命をかけた伝令」
トッド・フィリップス 「ジョーカー」
マーティン・スコセッシ 「アイリッシュマン」
クエンティン・タランティーノ 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
脚本賞
ノア・バームバック 「マリッジ・ストーリー」
ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン 「パラサイト 半地下の家族」
アンソニー・マッカーテン 「2人のローマ教皇」
クエンティン・タランティーノ 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
スティーブン・ザイリアン 「アイリッシュマン」
作曲賞
アレクサンドル・デスプラ 「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
ヒドゥル・グドナドッティル「ジョーカー」
ランディ・ニューマン 「マリッジ・ストーリー」
トーマス・ニューマン 「1917 命をかけた伝令」
ダニエル・ペンバートン 「マザーレス・ブルックリン」
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