Netflixオリジナルのスペイン映画
夫婦は身元不明の少女を保護するが、不可解な出来事が頻発して…………
謎の少女をめぐるサスペンス
ストーリーが独創的で、かなり怖い
少女を母親のように愛するようになるパウラ役のエレナ・アナヤの熱演が凄い
また子役の演技が圧巻
チョークで引かれた線の中から、外に出られない少女
それにはどんな意味があるのか?
ミステリアスな展開に引き込まれた
そして、全く先を読ませないストーリー
明らかになる衝撃の真実
クライマックスの絶望感が凄まじい
全くノーチェックの作品だったのに、圧倒された
やっぱりスペイン映画はレベルが高い
怖い映画が好きな人なら、見て損はなし!!
予告編
作品情報
作品名「檻の中」(原題Jaula)
監督:イグナシオ・タタイ
キャスト:エレナ・アナヤ、パブロ・モリネーロ、エバ・テネアル、カルロス・サントス、エヴァ・リョラッチ
上映時間:107分
製作国:スペイン(2022年)
ざっくりあらすじ
身元不明の少女を保護した夫婦は、一時的に彼女を家で預かる。しかし、少女は奇妙な言動を繰り返し、夫婦の周りでも不可解な出来事が起きて…………
感想(ここからネタバレ)
さわりだけ見るつもりが、面白くて一気に見終えてしまった…………
遭遇
その夜、パウラとシモンの夫婦は車を運転していた
すると前方に何かが見えた
車を降りて駆け寄ると、幼い少女がよろよろと道の真ん中を歩いていた
2人は少女を保護して、病院へ運んだ
2週間が経っても、少女の両親は見つからなかった
パウラとシモンは何度も病院へ足を運んだ
少女は衰弱し特に腎臓が弱っていたが、徐々に回復に向かっていた
医師によると少女には奇妙な様子が見られた
チョークで自分の周りに線を引き、そこから出ようとしないのだ
無理に引っ張り出そうとすると、激しく暴れる
そして、言葉が分からないのか、何を訪ねても無言だった
そんな少女だったが、パウラにだけは懐いているように見えた
医師と相談し、2人は一時的に少女を家で預かることにした
パウラは少女をクララと名付け、寝ている間に家に運んだ
クララは決して白線の外に出ようとしなかったため、パウラは家の隅々まで線を広げた
パウラはクララを我が子のように可愛がった
やがて不可解な出来事が周囲で起こるようになった
ジャムの中にガラスの破片が入っていた
洗濯ものの中に鍵束が入っていて、洗濯機が壊れた
シモンはクララを疑ったが、パウラは聞き入れなくて…………
作品解説
監督のイグナシオ・タタイは本作が長編デビュー作
スペインでは2022年9月9日に劇場公開された
パウラ
シモンの妻
長い間、不妊治療に苦しんでいる
身元不明の少女クララに、深く愛情を注ぐようになる
やがてクララを自分と引き離そうとするものを、拒絶するようになり…………
演じるのは「この愛のために撃て」や「ワンダーウーマン」のエレナ・アナヤ
本作ではまさに入魂の演技を見せてくれる
クララ
パウラたちに保護された身元不明の少女
年齢は6歳
自分の周りに白線を引き、決してそこから出ようとしない
パウラに懐き、彼女にだけ言葉を発するようになるが…………
演じるのはエバ・テネアル
大人顔負けの演技を披露
スペイン映画
「嵐の中で」「SEVENTEEN/セブンティーン」「ボイス -深淵からの囁き-」「薄氷」「エクストレモ」「荒れ野」「マルナシドス -ゾンビの谷-」
Netflixでは多くのスペイン映画が配信されているが、非常に良作率が高い
特に「嵐の中で」「SEVENTEEN/セブンティーン」などは映画史に残るレベル
この「檻の中」も期待にたがわぬ出来栄えだった
ミステリー
本作では謎の少女クララを中心にストーリーが展開する
決して白線の中から出ない理由
「ボラ」という謎の言葉
家の中で起きる異変
少女はどこからやって来たのか?
最初は「エスター」を思い起こさせた
「エスター」
孤児院から少女エスターを養子に迎えた夫婦
しかし、次第に周囲で不可解な出来事が続くようになり…………
監督は「トレイン・ミッション」や「ジャングル・クルーズ」などのジャウム・コレット=セラ
エスターがとにかく怖い!
このクララという少女には悪魔でも憑りついているのか?
そんなことまで考えた
ところが物語は全く予想外の方向へ向かっていく…………
母性
物語の中盤、クララが行方不明になる
警察が必死に捜索しても見つからない
そこからのパウラの行動が凄まじい
警察から資料を勝手に盗み、自らクララを見つけようとする
その姿には鬼気迫るものがあった
ずっと不妊治療で苦しんでいたパウラ
そのクララへの執着は母親の愛情を超えて、狂気すら感じさせた
スリラー
クララの正体
白線の意味
どうして夜道に1人でいたのか?
点と点がつながっていき、様々な謎が明らかになる終盤の展開は見事
そしてクライマックスは本当に怖かった
こんな絶望感を味わったのは久々
もはやスリラーというかホラー
最後のチョークの使い方も絶妙だった
まとめ
ノーマークだったが珠玉のスリラーだった
様々な謎に引き込まれた
役者の演技も素晴らしい
かなり満足度の高い一作だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_chalk_line
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