夢枕獏の人気小説「陰陽師」が初のアニメ化
平安京で源博雅は、稀代の陰陽師といわれる安倍晴明と出会うが…………
煌びやかな平安京で起きる様々な怪事件に、晴明と博雅が挑む
鬼や怪異が共存する摩訶不思議な京が描かれる
ミステリアスな安倍晴明は魅力的
誠実な人柄の源博雅も好印象
次第に深まっていく2人の絆は見ごたえがあった
しかし、作品自体は正直、残念な出来栄え
とにかくアニメーションのクォリティが低い
かなりチープな作画だった
晴明のライバルである道満を、女の姿にしたのも微妙
途中までは見続けるのが苦痛だった
だが、後半の長編エピソードはなかなか盛り上がる
とはいえ全体的に、安っぽい印象の作品
期待が大きかっただけに、ガッカリだ
原作ファンは見る前に、ハードルを上げすぎない方がいいだろう
予告編
作品情報
作品名「陰陽師」
監督：山本蒼美
キャスト：浪川大輔、浅沼晋太郎、石川由依、浜田賢二、岸尾だいすけ、佐藤利奈
原作：夢枕獏
アニメーション制作：Marvy Jack
全13話
制作国：日本（2023年）
ざっくりあらすじ
栄華を誇る平安京、源博雅は陰陽師である安倍晴明と出会う。どこか人を寄せ付けず冷酷な晴明に戸惑う博雅。2人は反発しながらも、鬼が絡んだ怪事件に挑んでいくが…………
感想（ここからネタバレ）
せっかくの初アニメ化だったのに、作画が…………
「陰陽師」
ある夜、平安京に奇怪な牛車が現れた
その牛車は引く牛がいないのに動いているのだ
そして、牛車の中にいたのは、恐ろしい形相の鬼の女だった
その鬼は7日かけて、内裏に参上すると言った
醍醐天皇の孫で雅楽家の源博雅は、鬼の女の退治を頼まれた
博雅は陰陽師の助けを借りようと、陰陽寮を訪れた
そこの陰陽師はこの事件は、安倍晴明が適任だと告げた
安倍晴明は稀代の陰陽師だと評判だが、一方で狐の子だと陰口を叩かれていた
博雅は晴明の屋敷を訪れた
安倍晴明は不思議な雰囲気をまとった男だった
博雅は事情を説明して助力を頼んだが、晴明は全く興味がないようだった
怒った博雅は助けなどいらぬと、屋敷を去ったのだが…………
作品解説
原作は夢枕獏の人気小説「陰陽師」
アニメーション制作は「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ」のMarvy Jack
安倍晴明 CV.浪川大輔
若くて謎めいた陰陽師
その陰陽術の才能は天才的だといわれている
他人を寄せ付けず、広い屋敷に1人で暮らしている
最初は源博雅の依頼を、素っ気なく断るが…………
全く感情を見せない晴明
しかし、博雅と付き合ううちに、人間的な一面を見せるようになっていく
後半の博雅へのクーデレっぷりは微笑ましかった
源博雅 CV.浅沼晋太郎
醍醐天皇の孫で、笛の才能は天才的
剣の腕も一流
誠実で裏表のない性格
周囲から気味悪がられる晴明にも、屈託なく接する
暖かくて優しい人柄で、次第に清明の心も解きほぐしていく
だが、シリーズ後半では思いがけない運命が待っていて…………
芦屋道満 CV.佐藤利奈
流れの陰陽師
晴明の因縁のライバル
自分が面白いことにしか興味がなく、様々なトラブルを引き起こす
映画「陰陽師」では真田広之が演じていた道満
なぜ、女にっ！？
「聖闘士星矢: Knights of the Zodiac」でアンドロメダ瞬が女だった時と同じぐらいショック
とはいえ、慣れると結構面白いキャラではあった
賀茂保憲 CV.岸尾だいすけ
帝付きの陰陽師
晴明の兄弟子
猫又を使役する
昔から晴明の才能を妬んでいるようだが…………
本作でもっともお気に入りのキャラ
ミスリードに引っかかって、完全に悪役だと思い込んでしまった
映像化作品
夢枕獏の人気小説「陰陽師」
今まで何度も映画やドラマになっている
野村萬斎主演の映画「陰陽師」などは、特に有名だろう
「陰陽師」は中国でも人気らしく、二度も映画化されている
舞台が中国になっているが、どちらも衣装が美しく、セットが豪華で、演出もパワフルで楽しめた
これらはNetflixで見られるのでお勧め
Netflixアニメ
「GAMERA -Rebirth-」「PLUTO」「鬼武者」「悪魔くん」「ぼくのデーモン」
今年のNetflixアニメは良作が多かった
そして日本を舞台にした時代劇「BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ」
海外で製作されたこのアニメの完成度には、衝撃を受けた
その時代の空気まで描いた凄みのある映像、壮絶な剣劇、ストーリーの面白さ
これほどのクォリティの時代劇アニメが海外で作られるとは
正直、嫉妬すら覚えた
だが、日本人が作れば、もっと凄いものができるのでは！？
自然とアニメ「陰陽師」に期待した
結果は完封負けである
比べるのも恥ずかしい
「陰陽師」はとにかく映像のクォリティが低すぎる
アニメーションに関しては、見るべきところがひとつもない
最初から最後まで、一貫して酷かった
鬼のおどろおどろしさや哀しみ、その時代の雰囲気やわびさびなど、チープな映像からは全く伝わってこない
最近のNetflixアニメは良作続きだったので、本当にガッカリした
予算がどこに使われたのか、不思議に思えるほどだ
長編エピソード
途中まで見るのが苦痛で、心折れそうになった本作
しかし、第7話から始まる長編エピソードは面白かった
衝撃の展開
晴明の過去
謎の鬼の正体
それまで仕込んでいた伏線が次々に回収され、かなり見ごたえがあった
博雅のことを好きすぎる晴明の姿も微笑ましかった
普通に続きが気になり、一気に見てしまった
これで作画さえ良ければ…………（しつこい
まとめ
期待が大きかった分、失望も大きかった
正直、お勧めしづらい出来栄え
後半のストーリーが面白かったのが救い
出来れば、もう一度作り直して欲しい…………
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/onmyoji/s01
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/384938
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